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2020年5月

おうちのあり方が変わる??~体感する換気編~

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NAGOMIYAのブログをお読みいただきありがとうございます。

前回の「おうちのあり方が変わる??これからの家づくりに必要なのは健康への配慮~運動編~」 に引き続きまして、今回は“体感する換気編”です。

現在、様々な空間において「換気すること」が当たり前のように提唱されています。コロナウイルスの影響から、換気が上手くなされていない密閉な場所に対して、人は恐怖を抱くようになりました。

そして、換気という言葉に対して、
“空気の入れ替え”という目的よりも、 “常に空気が流れていること”に重きを置く時代がやってきているのではないでしょうか。

要するに、換気というよりも「循環」という目的で窓を開けているような、そんな印象を私は受けています。

空気を常に動かすこと。

それを今多くの人が求めているように思います。

今回のブログでは、これからの換気のあり方について考えてみたいと思います。

■換気の種類


さて、人が最も体内に取り込む量が多いのは「室内の空気」です。
しかしながら、残念なことに大抵の場合で、室内の空気というものは外気よりも汚れていることを、ご存知でしょうか?

例えば、人間は「呼吸」によって、酸素を吸って二酸化炭素を吐き出します。
また、キッチンで料理をするときにも、水蒸気やにおい成分、PM2.5などの主成分となる燃えカスなどが大量に発生することで、室内の空気が汚染されます。もしこういった空気の汚れがすべて室内に溜まってしまうとしたら、数日以内に命を落とすほどの劣悪な空気環境となってしまいます。

そのため、生活に伴って発生する様々な空気の汚れは「換気」によって排出し、外部から新鮮な空気を室内の取り入れる必要があります。

トイレやキッチン、お風呂など、俗にいう水回りに必ず換気扇がついているのは汚染物質の発生が特に多い場所だからなのです。

このように「換気」は良質な住生活にとって、欠くことのできない大切な住宅性能です。昔の住宅は気密性が低すぎたため(C値20cm2/m2レベル)、隙間風によって1時間あたり1〜2回は自然に換気がなされていました。そのため、トイレやキッチンなど以外では、換気不足による室内空気汚染が深刻な状態となることは、ほとんどありませんでした。

ところが新建材の普及に伴い、気密化(C値5cm2/m2レベル)が進んできたため、間取りによっては、リビングや寝室などの居室での換気不足が発生するようになりました。
難しいことをお話ししていますが、簡単にいうと・・・

○昔の住宅は気密性が低く隙間から空気が入るため、換気システムがそこまで重要ではなかった。
○現在の新建材の気密性が高い住宅には、密閉になるため、換気システムが必要になった。

そんな中、近年に急速に普及した新建材に大量に含まれていたホルムアルデヒドなどの揮発性有害化学物質による、「シックハウス症候群(めまいや頭痛などを発症する)」が大きな社会問題となりました。

そのため、シックハウス対策として2003年7月に建築基準法(※3) が改正されました。この改正により、住宅への24時間換気の設置が義務付けられるようになったのです(建築基準法28条の2)。

今では当たり前の24時間換気システムですが、始まったのはほんの17年前のことです。時代が変化すると、建築のあり方も同様に変化します。まさに今も、時代が変化しています。

現在、人は、「よし、換気をしよう」と思ったとき、換気扇のスイッチを押すのでしょうか?それとも窓や扉を開けるのでしょうか?統計をとっているわけではないので、感覚的になりますが、後者が多いのではないでしょうか。

なぜなら、窓や扉は、風が入ってくるのを実感できるからです。

人は、風が身体に触れることで、風の「抜け」を体感します。
カーテンや草木などが揺れると、目には見えない風の動きが目で確認できます。
窓を開けると、外の香りも、風の吹く音も聴こえます。
その体感が「換気」できているという安心感に繋がるのではないでしょうか。

機械換気がされていても、窓や扉を開けて自然換気を行いたいというのは、このような体感を求めているのだと思うのです。

では、機械換気がまったくいらないのかというと、そうではないと思います。

24時間換気システムは法律上設置するようになっていますし、自然換気のような自然の風では均一な換気はできないのです。

機械換気は気密性がある場所には、均一な換気ができます。
それを上手く利用することができるように位置を計画するのは必要なことだと思います。熱交換システムのような、高性能な換気方法もありますが、電気の消費が気になるところです。

それに対して自然の風は無料なので気兼ねなく取り込めますね!

ただ、汚染されている風や花粉時期の風をむやみに室内には取り込めないというのもありますが・・・。それぞれ一長一短ではあるのですが、自然の風は「体感できる」というのが一番大きなメリットだと私は感じています。

換気に関する重要性が低かった日本の住宅産業ですが、コロナウイルスをきっかけに、 人は安心を求めて、「体感する換気」を心掛けるようになったからです。これからの建築は、窓の大きさや窓の位置に一層注意しなければなりません。

風が抜けるための道をしっかりと建築計画し、「体感する換気」をしていかなけばならないと考えています。

人が求めていることを生活に取り込むためには、家のあり方も変わる必要があります。健康でいるには、使っている素材も大切ですが、住んでいる人が心地いいかどうかが本当に重要です。

このような時代だからこそ、NAGOMIYAは暮らしやすさを追求していきたいと思っています。

私たちは岩国市にある小さな工務店です。
木と漆喰の専門店という看板を掲げて、深呼吸できる家づくりを目指しています。岩国市の人のために、岩国市に合った建築をしていきたいと思っています。

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