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古材の素晴らしさ

NAGOMIYAのブログをお読みいただきありがとうございます。


夏が終わり、日差しが強い日もありますが、だんだんと風は冷たくなっているように思います。


さて、今月10月14日、「鉄道の日」だったようです。


1872年(明治5年)の9月12日(新暦では10月14日)日本で初の鉄道が、新橋~横浜間で開業したことを記念して、1922年(大正11年)に鉄道省が制定しました。


大正に制定されたものが、令和まで語り継がれていることが素晴らしいと思います。


鉄道だけに限らず、古い歴史があるものって何故か魅力を感じてしまいます。

私が最近、感銘を受けたのは、古材です。

■古材とは

意味合いとしては古い材料、年月の経っている材料ということです。


古材というと、古いものなので、新しい材料に比べて強度が劣っている・・・と思われている方が多いと思います。


でも実はそうではないのです・・・。


そんな古材について今日はお話しさせていただきます。


先日、古民家の成り立ちや現状、古民家に使われる古材などについての講習をスタッフで受講してきました。


これまで古民家は、「住みづらい」という理由から解体処分するのが妥当とされてきました。


しかし、あえて古民家をリノベーションして、住宅や店舗にするという選択をされている方も最近多くなってきました。


NAGOMIYAでも古民家リノベーションのご相談を多くいただいております。


ではまず、古民家とはどういう定義のもとに呼称されるのでしょうか。


古民家の定義のポイントは・・・

・登録有形文化財制度

・築50年以上経過

・木造軸組構法

・伝統構法もしくは在来工法

これらに該当する住宅を古民家と呼べます。


ここ山口県にある登録有形文化財の数は101です。(文化庁HP2019年1月1日現在)


登録有形文化財を簡単に言いますと、重要文化財には指定されないけれども、大切にした方が良いとされて登録された文化財のことです。


さて、古民家の定義が大体ご理解いただけたところで、本日のテーマ「古材」についてお話しさせていただきます。


まず、古材の強度についてです。


冒頭でも言いましたように、古材は古いため、新材よりも強度が「弱い材料」なのでしょうか・・・?

実は、経年変化により、古材の強度は増大すると言われています。


千葉大学名誉教授の小原次郎氏が書かれたNHKブックスの「木の文化をさぐる」の中に、法隆寺古材は心材より強いと記述しています。


「なぜなら木は切り倒されてから200~300年までの間は、圧縮強さや剛性がじわじわとまして、2,3割も上昇し、その時期を過ぎて後、緩やかに下降しはじめるが、その下がりカーブのところに法隆寺古材が位置していて、新材よりもなお一割くらい強いからである。バイオリンは古くなると音が冴えるというが、これはこの材質の変化で説明できる。」


要するに、伐採してすぐは強度がまだ無いが、年数をかけてゆっくりと強度が増していき、200~300年は強い時期とされています。


強度が落ちるのは伐採後800~1200年という途方もない未来の話であり、古民家は最近の住宅とは比較にならない良質な木材が贅沢に使われた耐久年数の長い住宅なのです。


新築に使われる材料は、多くが自然乾燥ではなく、強制乾燥のため、材料の強度を一時的に得られてもすぐに弱くなってしまうそうです。


時間は早めることができませんので、今ある古材って素晴らしい材料ということが分かります。


古材は大切にするべき価値があります。

皆さんも古材への印象が少し変わられたのではないでしょうか?

■カーボンフィグゼイション


最後に「カーボンフィグゼイション」という考え方についてお話しさせていただきます。


私がこの講習を受けて、とても良い考え方だと思ったのが、この「カーボンフィグゼイション」です。


木には炭素が多く含まれています。


伐採しても炭素を保有したままなので、家を建て、それを焼却処分すると炭素が空気中に大量に排出されてしまいます。


元々地上にあった木を伐採して、家を建て、焼却し大気中に排出されても二酸化炭素の総量は変わらないという考え方を「カーボンニュートラル」といいます。


対して、木材を焼却せずにそのまま長期間固定し、二酸化炭素削減を求める考え方を「カーボンフィグゼイション」といいます。


世界的にカーボンフィグゼイションの考え方に変わってきています。

古材を廃棄せずに再利用することで、炭素を固定することになります。


新築を建築する際にも、すぐに住めなくなってしまうような家ではなく、生活スタイルを含め、使用する材料にも気を配ることが大切です。


手を加えれば永く住み続けられるようにすることが、環境のため、そして私たちの健康な暮らしのためになります。


今日は、古材の素晴らしさ、古材を大切にする素晴らしさをお話しさせていただきました。


住宅は簡単には建てられません。


たくさんの情報が溢れていますし、何を大切にされるかは住まい人次第です。


私たちNAGOMIYAが自然素材をおすすめしているには理由があります。


少しでも、自然素材に興味を持っていただけたら嬉しく思います。


漆喰やオーク、パイン、栗、杉の無垢フローリングなどの自然素材に実際に触れていただけますので、ぜひ事務所へご相談ください。


私たちは岩国市にある小さな工務店です。

木と漆喰の専門店という看板を掲げて、深呼吸できる家づくりを目指しています。

岩国市の人のために、岩国市に合った建築をしていきたいと思っています。

 

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