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古民家の暮らしは決して悪くない

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NAGOMIYAのブログをお読みいただきありがとうございます。

少し寒さが深くなってきましたね。

事務所のペレットストーブもそろそろ火が灯りそうです。

ペレットストーブの火を見ているととても癒されます。

最近はキャンプの薪の動画などもすごい再生回数のようで、火が人に与える影響の大きさを感じています。





そもそも日本人の暮らしは、火による光と陰を大切にする暮らしでした。

いわゆる古民家と呼ばれる造りで暮らしていた時代のことです。

古民家は暗くて寒いというイメージを持っている方多いと思います。

今日のブログでは、そんな古民家の暮らしのマイナスイメージを払拭したいと思います。



さて、火が灯れば明るいところと、陰のような暗いところが生まれます。

その陰翳(いんえい)こそが日本古来の芸術の特徴であると主張したのが、谷崎潤一郎でした。

谷崎潤一郎の随筆「陰翳礼賛(いんえいらいさん)」は、電灯がなかった時代を懐かしみ、電気の配線などを上手くかくして日本家屋と調和させることの葛藤が綴られています。

谷崎潤一郎は西洋の住まいは可能な限り部屋を明るくし、陰翳を消すことに執着したが、日本はむしろ陰翳を認めていたとしています。

陰翳の中でこそ生まれる芸術を作り上げたのが、日本古来の芸術の特徴だと主張し、建築、照明、紙、食器、食べ物、化粧、能や歌舞伎の衣装など、多岐にわたっての陰翳を考察しています。

また、日本の住宅は大きな屋根が特徴です。

その下に広がる暗闇が日本独特の美意識であり、金箔が施された屏風も照明の下で見れば派手に見えるが、当時のほの暗い室内では外部の光を反射するリフレクターの役割があったと谷崎潤一郎は説明しています。

古民家は暗くて暮らしにくいというようなマイナスイメージを持たれている方が多いのですが、ほの暗い室内は日本人の暮らしにはマイナスではないということが谷崎潤一郎の主張です。

確かに、利便性の追求による明るい空間に人は慣れてしまったため、暗い不便さをより一層感じてしまっているように思います。


またこのような言葉もあります。

「家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬は、いかなる所にも住まる。暑き比わろき住居は、堪(た)へ難(がた)き事なり。」

これは吉田兼好の徒然草の記述です。

「家は夏を中心に作りましょう。冬はどこにでも住めます。暑い家は堪えられないです。」という意味です。

日本の家づくりは、暑い日差しを遮り、夏を快適にくらすために、軒を深くするなどの工夫をしていました。

要するに、夏を涼しく過ごすことに重きが置かれていた時代だったのです。

古民家の「寒い」というマイナスイメージは、こうした背景が関係しているように思います。


では、現代の夏はどうでしょうか。

年々気温は上昇し、猛暑の日々が続いています。

現代の夏は、昔よりもよっぽど暑い夏だと思うのですが、軒の深い家づくり、古民家は減少傾向にあります。

日本の古民家がなぜそのように造られたかを知らない方が多いのも原因の一つだと思われます。

古民家の造りが、日本という風土に合った素晴らしいものだということを知っていれば、古民家に対して、別の見え方も出てくると思います。

私たちNAGOMIYAは、古民家を大切にして欲しいと思っています。

先人の残してくれた知恵と技術を大切に守ること
環境へ配慮すること
日本の風土に合った健康的な暮らしをおすすめしたい
古材という貴重な木材の継承など

そういった沢山の気持ちがあります。


古民家を壊してしまうことは簡単ですが、現代の良い材料や再生する技術や工夫によって、古民家が暮らしやすく生まれ変わることもあります。

例えば…

しっかりと断熱材を施すことで、夏も冬も快適に過ごせるようになりますし、床に無垢材を使うことや、窓を断熱サッシに変更するだけで室内の温度が快適に保たれます。

暗いという問題に対しては、照明計画、窓からの自然光による採光計画などを改めて計算します。

そのために私たちNAGOMIYAは古民家鑑定士の資格取得や講習を受けて、日々学んでいます。

古民家をリノベーションすることはとても難しいことですが、日本の建築を大切にしたいと思い、真剣に取り組んでいます。

古民家のイメージが変わった!という方がいてくださると嬉しく思います。

最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。





私たちは岩国市にある小さな工務店です。

木と漆喰の専門店という看板を掲げて、深呼吸できる家づくりを目指しています。

岩国市の人のために、岩国市に合った建築をしていきたいと思っています。